褥瘡(じょくそう)

こんにちは! 

訪問看護 れんげ草の看護師 奥島です!

 

今回は在宅介護で起きがちな「じょくそう」について解説したいと思います。

「じょくそう」だと聞きなれない方もいるかと思いますが、

一般的には「床ずれ」と呼ばれる傷のことです。

 

「じょくそう」とは、漢字で「褥瘡」このように書きます。

それぞれの漢字の意味は、

褥: 「しとね」と読み、お布団のことです。

瘡: 「かさ」「そう」などと読み、皮膚にできるはれ物・傷のことです。

漢字から分かる通り、

今も昔も、布団で寝っぱなしになるとできてしまう傷なんですね。

さて、ここからは本格的に褥瘡の説明をしていきましょう!

 

?? なぜ褥瘡ができてしまうのか ??

日本褥瘡学会では、褥瘡について

「体重で圧迫されている場所の血流が悪くなったり滞ることで、

皮膚の一部が赤い色味をおびたり、ただれたり、傷ができてしまうこと」と説明しています。

つまり、寝たきりなどの理由で同じ場所への圧迫が継続して、

「皮膚の血流が悪くなることで生じる皮膚組織のダメージ」が褥瘡の正体なんです。

専門的には様々な要因を考えますが、

在宅生活・ご家庭では、このように考えてもらって構いません。

褥瘡がなぜできるのかの説明はこんなところにして、

ここからは、実際にどのようなことに注意が必要なのかご紹介します。

 

★好発部位(褥瘡ができやすい場所)

まず、褥瘡は身体の骨ばっている部分に起こりやすいと言われています。

特に注意が必要なのは、踵(かかと)や膝、足の付け根など、大きな関節部分です。

説明だけでは分かりにくいと思いますので、写真でご覧ください!

踵、膝小僧(膝の間)

足で注意で必要なのは膝や踵です!

ほかにも、大転子といわれる太もも付け根の外側なども起こりやすいです。

 

肩関節、肘関節、肩甲骨周り
背中( 腰骨、あばら骨 )

上半身では、腕・肩の関節や肩甲骨に注意してください!

さらに、背中はベッドに接している時間が長く、なかなか目が届きにくいです。

褥瘡ができやすく、目が届きにくい部位なので特に注意が必要です!

 

★褥瘡予防 除圧

繰り返しになりますが、褥瘡は圧迫による皮膚の血流不足が原因です。

つまり、その圧迫を減らしてあげることが褥瘡の予防につながります。

その方法として最も一般的なのは、定期的に体の向きを変えることです。

※この向き変えを「体位変換」「体交」なんて呼び方をします

 

「え、それだけ?」と疑問に思う方もいるかもしれません。

しかし、単純ですが病院でも必ず行われる大切な行為なんです。

 

一時的に皮膚の血流が悪くなっても、

体の向きを変えて、圧迫されていた部分の

血流を再開させれば褥瘡まで至らずに済むんです。

 

また、 寝たきりの方に対しては、

体を少し持ち上げてずらし、体の位置を整えてあげるだけでも効果があります。

体の向きを変えるまでは難しくても、

圧迫部位が少し変わるだけで褥瘡予防につながります。

 

ここまでは、除圧の方法を説明しましたが、

実は、除圧を行う時間・タイミングも重要なことなんです。

高齢者の場合、

2時間程度で褥瘡ができることもある、と言われています。

しかし、自宅で2時間ごとに除圧を行うなんて、決して現実的ではありません。

除圧が必要な頻度は個人差が大きいのも事実です。

なので、褥瘡予防グッズや介護スタッフ等の力を借りながら

可能な限り定期的に除圧ができる状況・環境が作るようにすることが大切になります。

 

~ おわりに ~

 

たかが褥瘡、されど褥瘡。

在宅介護では起きがちな褥瘡ですが、

放っておくと、感染症などに発展して生命にかかわることもあります。

褥瘡の予防はとても重要なことなんです。

今回は褥瘡予防の基本「除圧」をメインに解説させていただきました。

この記事を読んだ方にとって、少しでも参考になれば幸いです。

褥瘡予防にはもっと多くのコツがありますが、

それはまた別の機会に紹介させていただきます。

 

訪問看護 れんげ草では、褥瘡管理が必要な方にも訪問を行っています。

病院や在宅で多様な症例を見てきたスタッフが、

経験・知識・スキルを活かして褥瘡管理をサポートします!!

ぜひ一度、私たちにご相談ください!!

精神誠意お力になれるように努めていきたいと思います!!

 

投稿者: 奥島 嵩弥